日本の民謡 <CDで聴くふるさとの唄>
はじめに(トップページ)
曲目解説 原本(PDF)追加済み(2023年04月)
◇はじめに
血につながるふるさと…心につながるふるさと…言葉につながるふるさと…。ふるさとは精神の揺藍であり心のオアシスです。
ふるさとの唄・民謡は、私たちの遠い祖先たちの尊い労作業の中から、あるいは日々の生活のなかから生み出されました。
ここでは日本全国47都道府県の民謡1095曲を取り上げ、簡単な解説とともに、CDになっている唄い手さんたちの歌唱に、以下のポイントに基づいて◎○△のマークを付けてみました。
一、素朴野趣(メロディーの流れとリズムが生きいきしていて、風土自然の味わいと、土地土地の人々の息遣いが感じられる演唱)
二、気品格調(粗野、野卑に流れず、生活に真摯に取り組んで生きる姿がにじみ出る演唱。喉と息の使い方がうまく、高音美声を誇ったり、癖のある小節の多用や、声使いの技巧に走らない演唱)
三、眼前彷彿(生活と労作業の光景が、目の当たりに浮かぶような表現力ある演唱)
四、郷愁想起(聴く者それぞれが持つ懐かしい心の原風景を想起させ、命の琴線、民族の血に触れるような演唱)
五、情感移入(声の強弱、大小、緩急による曲の構成力、完成度が高く、唄の文句に描かれた情景と、作業者の心情とが一体化した演唱)
六、来由表出(その唄が生まれた由来をよく認識して、先人の名唱のよきところを継承し、発展させている演唱)
七、爽快和楽(爽快感があり、聴いて心がなごみ、楽しくなる演唱)
民謡は唄い手とお囃子方は一体のものであり、唄の良し悪しもお囃子方で決まります。お囃子方の名を省略したり、一括記載することは好ましくないことと思います。
ともあれこの小稿が、ふるさとの唄と郷土を愛する心を呼び覚まし、民族の文化遺産としての日本民謡を知るための一助ともなれば望外の喜びとするところです。
(2018.5.3)
「日本の民謡 CDで聴くふるさとの唄」
2020.5.3発行
著者・松岡 裕治
発行 暁洲舎
E-mail gss042@1134.com
(c)2020 Yuji Matsuoka Printed in Japan